日本の陶器に見られる柄
日本で作られている代表的な陶器の歴史を紐解いてみましょう。桃山時代に、茶の湯の流行により陶器は一気に最盛期を迎えます。織部釉や鉄釉を使った柄が生まれ、素材が持つ風合いや季節に触れる器選びなど、現在にも受け継がれる美意識が花開いた時代です。
江戸時代に大きく発展した伊万里焼き。有田で生産されたものを伊万里港から出荷されていたのでそう呼ばれていました。白色の地に鮮やかな色で描かれた柄はヨーロッパで大変好まれていました。また初期の九谷焼も有田で焼かれていたことがわかっています。その後加賀藩の保護の元、紫、黄色、緑、赤、青、を使って鮮やかに描かれた陶器は美術品としての価値を高めていったと言われています。
戦国時代の戦乱にほんろうされた日本の陶工達ですが、江戸時代に入り尾張藩により呼び戻されます。そして、現在のスタイルに近い陶器の製法や絵付けを習得し、量産できる技術を習得したことから、日常使いを楽しめる現在に至っているのです。